2008年 10月 29日
アメリカが最も嫌うネットウヨ |
「中韓を知らなすぎた男」などのネットウヨの主張には、あきらかにアメリカをなめているふしがある。中国や韓国などを徹底的に罵倒し、「中国全土に倒産の嵐が吹いている。13億の国民は餓死しつつある。巨大な北朝鮮が一個余分に我が隣に出来つつあります。しかし中国共産国家にとって人はいても国民は居りません。誰が餓死しようが気にも留めません。魯迅が絶望した中国共食いの歴史が復活してきそうです。日本は仏心を出して決して中国に関与してはいけません。歴史の巨大な渦に巻き込まれないように、海岸の防御をしっかりして中国民が日本に侵入してこないように戸締りをしっかりしましょう。」などと毎日のうように、シナはけしからん,朝鮮はけしからんと,時代錯誤の暴支膺懲,外国人排斥,国連脱退のスローガンを張り上げている。
アメリカ合衆国という国は、古い伝統があるわけでもない、皇室や王室をいただくわけでもない。国民の求心力は、何人においても自由平等、個人の尊厳を満たされる権利があり、三権分立による民主主義を政治原理とするという理想を掲げて植民地の圧制から独立したという点に求めている。したがって、世界中から移民難民を受け入れ、人種間のインテグレーションを求めている国である。フランス革命戦争、アメリカ独立戦争によって勝ち取った人類の普遍的な原則、個人の尊厳、自由・平等といった価値観を全世界に広めていこうして、アルカイダやタリーバンと戦っている。
そのような国から見て、ネットウヨのような排他的でかつ人種差別的な主張を繰り返す勢力は、もっとも相容れない人たちなのである。最近、下院において日本の従軍慰安婦に対する非難決議を行ったことや、ニューヨークタイムスの社説で今の日本の麻生総理大臣は喧嘩早い極右であると書いていることなどは、ネットウヨの増殖がアメリカにおける反日勢力を助けていることを証明していると思われるのである。
それらのアメリカの世論形成は、中国、韓国の積極的なロビー活動によるところが大であり、ネットウヨの存在は、彼らのロビー活動を手助けしている。アメリカ人から見ればネットウヨの排他性はアルカイダやタリーバンと同じ種類の排他性に思えるのである。
ネットウヨ言論の多くを見ると、日本国内の官僚やモラルのない経営者や技術者には、何の反省も問題提起も行わないで、「中国は崩壊する。シナはけしからん。」とアジテーションを繰り返している。
だが、中国はしたたかである。ロンドン在住華僑、グッチの特許部門責任者、全莉(ぜんり)(47)の全世界のメディアが何百回も報道しているNPO活動などを見ると、先の戦争中、蒋介石夫人の宋美齢氏がワシントンで連邦議員を前に熱弁を振るい、流暢な英語と米国の価値観を理解する美しい帰国子女の魅力が米国世論を中国に引きつけた。一方で日本は辛酸を極めた。その伝統を今も見る思いだ。
来年、誕生するオバマ政権も、伝統的に人権原理主義を原則として国際政治の舞台に乗り出すだろう。その場合、潜在的に大きな成長力を有し、巨大市場である中国より、日本を重視する唯一の視点は、民主主義、人権、個人の尊厳といった共通価値を日米が持っているという仮定にある。しかし、日本においてネットウヨが蔓延り、時代錯誤の暴支膺懲,外国人排斥、国連脱退を叫んでいれば、日本人はアメリカと価値観の異なった考えを持つという中国や韓国のプロパガンダやロビー活動の恰好の材料を与えることになる。
したがって、「中韓を知らな過ぎた男」などのネットウヨの日頃の時代錯誤の主張をしておきながら、「アメリカだけには見放されたくない」という都合のいい話」は、権理原主義のアメリカから見れば、ダブルスタンダードで最も嫌われる連中で、もうすでに見放されている連中なのである。このまま日本にネットウヨの増殖が続けば、経済的に斜陽になりつつあるアメリカは日中を戦わせあるいは、戦わないまでも敵対させて漁夫の利を双方から得ようとする方向に行くだろう。
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by tokiwater2008
| 2008-10-29 23:21
| 政治